岡本　はい。昔に比べると参加する方は少なくなりましたが、無形民族文化財にも指定
　　　　されているのですよ。

山田　江戸時代の初期、徳川の時代に始まったという
　　　　説があります。
　　　　確かなことは分かりませんが、尾野組もいつの
　　　　頃からか若連と呼ばれる40歳くらいまでの男性
　　　　によって運営されるようになりました。
　　　　後継者に行き詰まって一旦解散しましたが、平
　　　　成6年に有志を集めて再結成して翌年新しくスタ
　　　　ートしたのです。
　　　　今では各ご家庭にハガキを送り希望するかしな
　　　　いかなど聞いて返事を頂いたご家庭を回ってい
　　　　ます。
岡本　メンバーは40人程度ですが、年齢制限がありま
　　　　せんので中学生の時に始めた人もいます。

高松　若者が興味を持ってくれると嬉しいですね。
　　　　どのようなことをされるのですか。

山田　40人くらいの集団で初盆を迎えた家に訪れて、
　　　　庭先で大念仏供養を行います。
　　　　それぞれに役割があり先導する人、笛を吹く人、
　　　　太鼓を叩く人、双盤という大きな鐘を叩く人、念
　　　　仏を唱える人などが順序よく並んでお宅に入り
　　　　ます。
　　　　そして念仏を15分程度唱えて少し休んだ後にお
　　　　礼の念仏を唱えてから引き上げます。
　　　　だいたい1件に１時間程度掛かりますが、菩提
　　　　寺からスタートして順に多い時には１２軒ほど回
　　　　ります。時には浜松市や天竜市、豊岡村まで行
　　　　くこともあります。

岡本　時間帯にもよりますが、大勢のギャラリーがいると皆
　　　　張り切ります（笑）。
　　　　引き上げる前の仕草が見せ所ですから、少しでも感
　　　　動できるような仕草ができるように日々練習を重ねて
　　　　います。

山田　これからも末永くこの郷土芸能を守り続けて行きたい
　　　　ですね。

高松　本日は貴重なお話をありがとうございました。